ストキャスティクス%K、%D、SlowD

解説

ストキャスティックスというのはRSI同様“買われ過ぎ”、“売られ過ぎ”に着目したテクニカル分析です。株価は期間を区切ってその期間の終値の位 置に着目して観測していくと、上昇トレンドにある場合にはその期間値幅の上限に近づいていきます。また、逆に株価が下落トレンドにある場合には終値という ものは下限に近づいていくもので逆張りの投資手法においてよく用いられます。
1 期間
終値は期間値幅の真ん中近くに位置している。
2 期間
終値は期間値幅の上限に位置している。

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こういった習性を利用したのがストキャスティックスなのです。

その一方で相場に明確なトレンドが出ているときは指標が天井または底に張り付いたままとなってしまう性質があるため、逆張り手法が全く機能しない時間帯がある点に注意する必要があります(これは全てのオシレーター指標に言えることでもあります)。
一般的にストキャスティクスはレンジ相場で有効であり、トレンド相場では有効ではないと言われています。

計算方法

(%K = {(当日終値 – 直近N日間の安値) ÷ (直近N日間の高値 – 直近N日間の安値)} × 100 
一般にNは5,9,14などが使われています。

%D = (H ÷ L) ×100
H:(当日終値 – 直近N日間の安値)のX日間単純平均
L:(直近N日間の高値 – 直近N日間の安値)のX日間単純平均
Xには3が使われることが多いようです。

SlowD(S%D) = %DのY日の単純平均
Yには3が使われることが多いようです。

iTRADEのチャートでは下記の位置がそれぞれの設定位置になります。

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特徴としては
反応の素早さは%K>%D>S%Dとなりますので、だましに会う確率も%K>%D>S%Dとなります。

設定方法

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1日前の期間9日の%Kが80%以上ということになります。

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上の%Kを元にした、1日前の期間5日の%Dが80%以上ということになります。
(一般的には3日が使用されることが多いようですが、説明がわかりやすいように5日にしています。)

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1日前のSlowD=上の%Dの3日単純移動平均が80%以上ということになります。

一般的に上の2つの指標を使用したものをファスト・ストキャスティクス、下の2つの指標を使用したものをスロー・ストキャスティクスと言い使用されています。

一般的な取引ルール

◇ファスト・ストキャスティクス(Fast Stochastics)
【買いシグナル】
①%K・%D共に20%以下の時に、%Kが%Dを下から上抜いた時
【売りシグナル】
②%K・%D共に80%以上の時に、%Kが%Dを上から下抜いた時

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◇スロー・ストキャスティクス(Slow Stochastics)
【買いシグナル】
③%D・スロー%D共に20%以下の時に、%Dがスロー%Dを下から上抜いた時
(①と同じようなタイミングの取り方になるが①より少しタイミングが遅れる)
④逆行現象:強気の乖離(ブリッシュ・ダイバージェンスBullish Divergence)
⇒下落トレンド終焉示唆
価格は下落しているものの、ストキャスティクスが保ち合いから上昇に転じている場合
【売りシグナル】
⑤%D・スロー%D共に80%以上の時に、%Dがスロー%Dを上から下抜いた時
(②と同じようなタイミングの取り方になるが②より少しタイミングが遅れる)
⑥逆行現象:弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンスBearish Divergence)
⇒上昇トレンド終焉示唆
価格は上昇しているものの、ストキャスティクスが保ち合いから下落に転じている場合

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補足
野川塾での%Kの使用方法として下記のような使用の仕方をしています。

・%Kは期間n日に置いて同じ期間のHLレンジにおける終値の位置を%で表しています。
 そのためn=1に設定するとその日の高安値幅のどの位置に終値が来ているのかを表すことができます。