RCI(Rank Correlation Index)

解説

RCIは、価格そのものを計算対象とせずに「時間」と「価格」それぞれに順位をつけ、両者にどれだけの相関関係があるのかを指標化したものです。

RCIの値は、-100~+100の間を推移し価格が上昇を続ければ+100%に近づいていき高値圏と判断し、下落を続ければ-100%に近づいていき安値圏と判断します。

考え方

価格の大きさの順位(順位尺度)で価格と時間の相関関係に着目し、相場のトレンドの勢い、過熱感を見極めます。(Rank:順位+Correlation相関性)
統計学の「スピアマンの順位相関係数」を相場に応用したものです。
「時間の順位(順番)」と「価格の順位(順番)」の相関関係
・相場が高い時:時間の経過とともに価格も上昇する⇒正の相関
・相場が安い時:時間の経過とともに価格も下落する⇒負の相関

計算方法

RCI=(1-(6×d)÷n(nの2乗-1))×100

d:「日付の順位」と「価格の順位」の差を2乗し、合計した数値
n:期間
日付の順位:当日(最新の日付)=1、として遡りながら、2,3,4・・・と順位をつけます。
価格の順位:期間中の最高値=1、として、高い順に2,3,4・・・と順位をつけます。

例1

日付 終値 日付順位 価格順位 日付と価格の差の2乗 d
3月1日 1000円 5 5 0=(5−5)x(5−5)
3月2日 1010円 4 4 0=(4−4)x(4−4)
3月3日 1020円 3 3 0=(3−3)x(3−3)
3月4日 1030円 2 2 0=(2−2)x(2−2)
3月5日 1040円 1 1 0=(1−1)x(1−1) =0

上記RCIの式に期間は5、d=0を代入して計算してみるとRCI=100になります。

RCI=(1-(6×0)÷5x(25-1))×100

例2

日付 終値 日付順位 価格順位 日付と価格の差の2乗 d
2月1日 1040円 5 1 16=(5−1)x(5−1)
2月2日 1030円 4 2 4=(4−2)x(4−2)
2月3日 1020円 3 3 0=(3−3)x(3−3)
2月4日 1010円 2 4 4=(2−4)x(2−4)
2月5日 1000円 1 5 16=(1−5)x(1x5) =40

上記RCIの式に期間は5、d=40を代入して計算してみるとRCI=-100になります。

RCI=(1-(6×40)÷5x(25-1))×100=(1-240÷120)x100=-100

上記の表からわかることは、
ROC=100の場合は直近の日付になればなるほど価格が上昇してくる。つまり、現在、上昇トレンドにある、ということであり、
ROC=-100の場合は直近の日付になればなるほど価格が下落してくる。つまり、現在、下落トレンドにある、ということになるのです。

よって、連日高値を更新しているのであれば、数値は100に近づいていきます。上昇トレンドの中、買われ過ぎ状態に近づいているのです。逆に、連日安値を更新しているのであれば、数値は-100に近づいていきます。下落トレンドの中、売られ過ぎ状態に近づいているのです。

なお、買われ過ぎ、売られ過ぎも100、-100といった上限、下限まで到達しなくても80や-80前後の数字で考えたりもします。

また次のようにも考えられます。
・RCIがプラスのゾーンにある時:価格は時間の推移とともに上昇している⇒上昇局面
「時間系列」と「価格系列」が正の相関 ⇒ +100期間中、連続して上昇
・RCIがマイナスのゾーンにある時:価格は時間の推移とともに下落している⇒下落局面
「時間系列」と「価格系列」が負の相関 ⇒ -100期間中、連続して下落

設定方法

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これは、1日前の期間10日のRCIが0以上ということになります。

使用方法

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100近くから下落してきてもうすぐ80を下へ抜けそうだから価格が下落しそうと考えられます。

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−100近くから上昇して−80を上抜けしたところだから上昇するかもしれないと考えられます。

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RCIが0を越えて上がってきているので短期的に上昇局面かも、と考えることができます。