DMI(Directional Movement Index)

解説

トレンド系指標の欠点をカバーする際の順張り指標として使えるのが特徴です。
主に、トレンドの有無と強弱を探ろうとするものです。

この指標は、当日の高値安値が前日の高値安値に比べてどちらが大きいかということを基準に相場の強弱を判断します。株価が上昇トレンド の場合は、前日の高値を当日の高値が更新することが多いことや、株価が下降トレンドの場合は、前日の安値を当日の安値が更新することが多いことなどにより トレンドが変化することを利用したものです。
相場の上昇と下降をそれぞれ指数化し、トレンドの強弱を計算し、これをグラフ化したものです。プラスの方向性指数(上昇力を表す)+DIとマイナスの方向性指数(下降力を表す)-DIを用いて判断します。

指標種類

iTRADEでは以下の指標が用意されています。
+DI:上昇力
-DI:下降力
DX:+DIと-DIの差を百分率(%)で表したもの
ADX:トレンド力(DXの単純移動平均線)
ADXR:トレンド力2(当日のADXとn日前のADXの平均)

計算方法

+DIと-DIを求めるためにはまず+DM(上昇幅)と-DM(下落幅)を求める必要があります。
・+DM=当日高値ー前日高値
 ただし、この計算式の数値になるのは
 +DM>-DM
 +DM>0
 を満たしていた場合。それ以外は+DM=0となります。
同様に
・-DM=前日安値ー当日安値
 ただし、この計算式の数値になるのは
 -DM>+DM
 -DM>0
 を満たしていた場合。それ以外は-DM=0となります。

つまり高値と安値で前日との差が大きい方だけ採用し、小さい方もしくは同じ場合は0にしてしまうというものです。

これらとTR(モジュールTR参照)から

+DI=(n日間の+DMの合計)÷(n日間のTRの合計)x100
-DI=(n日間の-DMの合計)÷(n日間のTRの合計)x100

となります。

そこからDX,ADX,ADXRの計算式は

DX=(+DIー-DI)の絶対値÷(+DI+-DI)x100
ADX=n日期間のDXの単純移動平均線
ADXR=(n日間のADX+当日のADX)÷2

となります。

*通常nは14が用いられます。

設定方法

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これは前日の期間5日+DIが、前日の期間5日-DIを上抜くことを表しています。

スクリーンショット 2016-04-05 6.53.12

これは前日の期間5日DXが50%以上を表します。
このDXを指標として使用することはあまりないようなので補足しますと、
0〜100%の区間で表し、数値が大きくなるほどトレンドが強いことを意味します。

スクリーンショット 2016-03-29 20.18.59

これは前日の期間14日間ADXが、前日とその3日前(実質4日前)の期間14日間ADXを足して2で割ったADXRを上抜けたことを表しています。
これはつまり、トレンドがあると判断します。
逆にADXがADXRを下に突き抜けるとトレンドがないと判断します。

DMIの概要

・+DIは「プラス」の方向性を示すので、上昇トレンド(方向)を表わす
・-DIは「マイナス」の方向性を示すので、下降トレンド(方向)を表す
・+DIが-DIより上方にある時は株価は上昇中にあるといえ、その差が大きいほど相場の勢いは強いと解釈されます。
・-DIが+DIより上方にある時は株価は下降中にあるといえ、その差が大きいほど相場の勢いは強いと解釈されます。
・ADXはトレンドの強さ(相場の勢い)を表すので、+DIとADXがともに上昇している時は強い上昇トレンド、-DIとADXがともに上昇している時は強い下降トレンドといえま す。
・ADXはADXRを上抜いた時トレンドがあり、下抜いたらトレンドがないと判断できます。

・-DIが+DIを上回ると下降トレンドの到来、+DIが-DIを上回ると上昇トレンドの到来を、各々示唆することになります。ADXの水準が上昇していく場面は、トレンドが勢いを 増していく様子を表します。

使用方法

買いシグナル
・+DIが-DIを上抜き、ADXが上昇の時
・+DIが-DIより上に位置している時、ADXが下向きから上向きに転換した時

売りシグナル
・-DIが+DIを下抜き、ADXが下落の時
・+DIが-DIより下に位置している時、ADXが下向きから上向きに転校した時

手仕舞い
・手仕舞いは買いでも売りでもADXが下向きになった時。